【ファントム リベラリスト】763MLRSSのインプレッション

【ファントム リベラリスト】763MLRSSのインプレッション
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2023年2月22日から5月30日までの3ヶ月間、
「ファントム リベラリスト 763MLRSS」をつかい倒しました。

今年のキープキャストで、開発の方とお話する機会がありまして、
「ガシガシつかってください」と言われていたので、
それはもう、ガッシガシにつかいました。ガッシガシです。

そんな僕のインプレッションをお届けします。

はじめに

まず、ファントム リベラリスト 763MLRSSをつかうことになった経緯ですが、
ダイワの「タッチアンドトライキャンペーン」で当選したから。

新製品を、しかも発売前に貸し出しいただけるというもので、
去年は「ハートランド リベラリスト 903ML+RSS-22」をお借りしました。
(インプレの記事はこちら

……うん。この企画、大丈夫なのかな?って思ってます。
だって、新品を中古にして返すんですよ?安くない製品ばかりなんですけど?
費用対効果大丈夫そう?まぁ僕は着々とダイワ製品に囲まれるようになってますけど。
来年もあるといいなぁ。

あ、あと、一応自分のことも書いておくと、
僕は、フナ・ハゼ生まれ、ブラックバス育ち。ワカサギからマグロまでやります。

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763MLRSSのスペック

さて、まずは公式サイトの内容をすこしおさらい。
HVFのブランクスで、X45を入れてて、V-JOINTで、エアセンサーシートを採用しているとのこと。

技術特性や詳細は公式サイトを参照いただくとして、スペック表は以下のとおり。

品名全長
(m)
継数
(本)
仕舞
(cm)
自重
(g)
先径/元径
(mm)
ルアー
重量
(g)
ジグ
重量
(g)
適合ナイロン
ライン
(lb.)
適合PE
ライン
(号)
カーボン
含有率
(%)
本体価格
(円)
763MLRSS2.293971201.5/11.75-255-306-20MAX1.510037,800

キャッチフレーズは、「ターゲットは問わない、真のルアーロッドの誕生」。

この記事では、公式サイトに載っていないことを含めて、
自分なりの所感・使用感を書いていきますね。

ファントム リベラリストのデザイン

初っ端から自分なりの書き出しで進めるんですけど、見た目の話。

インプレって、使用感ばかりがフィーチャーされるんですけど、
「かっこいいと思うかどうか」って重要だと思うんですよね。

ロゴ

まずは、ロゴ。ええ、ロゴからです。ごめんね、ちょっと付き合って。

釣り道具って、なんだかシュッとした風を切るようなロゴが多いんですけど、
ファントムのロゴは、サンセリフ体。

これは好みの話なので、誰かになにかを勧めるわけではないですが、僕は結構好き。
はじめはちょっと物足りないかなとも思ったけど、
これ、複数本並ぶと一気にかっこよくなるタイプのロゴだと思う。

ちなみに、「LIBERALIST」のロゴも好き。
このフォントで「PHANTOM」ってつくるのもアリだと思ったけど、
「LIBERALIST」はコンセプト名として立たせたかったのかな。
あ、もちろん、ハートランドのロゴも好き。じゃなきゃ普段からつかってないです。

ロゴは箔押しというか厚盛りな感じで立体感を出していて、適度に高級感を出してます。
……ただ、デメリットも伝えておきますね。

夜にライトを点けると反射するので、ロゴが本当に撮りづらいです。

雨が降ったらもう、無理。写りません。

カラーリング

ブランクスはブラックとグレーで、グリップはコルク。
グリップについては後述しますが、コルク好きにはたまらないやつです。

ブラックが基調なので、どんなリールとも合いますね。
「竿は黒色でしょ」という方は、安心してつかえると思います。
ハートランド リベラリストは複雑な色だからね。どっちが好みかは分かれそう。
僕はあの色も好きですけど。真っ赤な竿も持っているぐらいなので。

自然のなかで

フィッシングショーや釣具屋さんでの印象と、自然のなかでの印象は違うもの。
自然のなかだとこんな感じです。参考になるかな。

これは、愛知県の入鹿池でボートを借りてバスを狙ったときの写真。
良いシチュエーションフォトが撮れましたね。ただ、バスは釣れませんでした。

良い道具と良い釣果は比例しないんです。生き物相手なんで。
そもそも釣りなんて、釣れてない時間が99%。
それなら100%、好きなものを手にしていたいよね。だから僕らは釣り具を買うの。

おかっぱり、ボート、おかっぱりの流れで12時間弱。アタリ1回。なんだよこの趣味。

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3つのグリップ

ファントム リベラリストには、フォア、メイン、リア、3つのグリップがあります。
すこし長くなりそうなので、ちょっと見出しを分けますね。

フォアグリップ

まずは、フォアグリップ。
これは大物とやり取りするときに持つグリップですね。
フォアグリップを掴めることで、支点が遠くなって、グリップエンドを腰に当てやすくなるわけです。

……なるわけですが、ええっと、3ヶ月間で一度もつかうことはありませんでした。
船で結構でかいのも釣ったんですけどね。

でも、でもね、これは絶対に必要なの。
つかうかつかわないかじゃないの。

だって、フォアグリップがあると、かっこいいじゃん!

「MLクラスの竿に要らなくね?」とか、そういうのじゃないんです。
たぶん世界で何人かが頷いてくれると思ってます。

メイングリップ

メインのグリップは、コルクです。
僕は結構コルクが好きで、すぐに黒ずむのも、コルクの目が抜けるのも、全然OK派です。
黒ずんだらサンドペーパーで削ればいいし、目が抜けたらパテで埋めるだけです。

個人的には、濡れたときに滑りづらいのはコルクかな?って思っています。

ちなみに、コルクのハンドルノブと合わせると統一感が出ます。コルク好きなのバレるね。

リアグリップ

断言します。ファントム リベラリストのめっちゃいいところ。それは、リアグリップ。

スッっと手に馴染んで、グッっと握れる。
「なんかしっくりくるの、なんでだろ?」って思ってたんですけど、ここでした。

ハートランド リベラリストのリアグリップに比べて、2回りぐらい細いです。
これがね、めっちゃいい。個人差はあると思うけど、僕は断然こっち。
キャストのときはもちろん、船で脇に挟むときにも良かったです。

なお、リアグリップの形は、ファントム リベラリストすべてで共通です。
あ、共通と断言するのはちょっと怖いな。釣具屋さんで触った感じでは共通だと思いました。

ほかのグリップに目が行きがちだけど、
リアグリップにも注目すると、竿選びがもう一段たのしくなる気がします。

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なんか、軽い

これもつかっているうちに、ふと気づいたことなんですけど、なんか、軽いです。

スペック表にも載っているんですけど、7ft6inで120g。
120gという数字的にも、まぁ軽いは軽いんですけど、
いまの時代、同じ長さでもっと軽い竿もあります。

でも、なんかね、数字以上に軽い。よくわかんないんですけど。

ブランクスは肉厚のHVFで、かなりトルクフルです。
(公式サイトではブランクスの詳細は書かれていないのですが、
キャンペーン当選者限定の動画で、開発者の方が肉厚にしていると話していました)
で、HVFナノプラスでもなく、軽さがウリというわけではないと思います。
ガイドの数も多いんですけどね(個人的にはガイドは多いほうが好き)。

でも、なんか、軽いんです。ちょっとよくわかんないんですけど。

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魚種不問ということ

この見出しは、ハートランド リベラリストの記事で用意したもの。
この記事でもつかおうと、前々から決めていました。

3ヶ月間で釣ったサカナは、
ブラックバス、シーバス、サワラ、タケノコメバル、
クロソイ、ハゼ、キビレ、サバ、エソの9種目でした。

釣り方も場所もさまざまですけど、一部の釣果をご紹介。

自分なりに結構釣った気がします。
ここにサツキマスを入れたかったんですけどね、あと5mでバラしました。

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バスロッドとしての763MLRSS

まずは、ブラックバスのことから。
一言で言うと、バス釣りのルアーはだいたいつかえます。大丈夫。

多用したのは、110〜130mmのミノー。早巻きとワンポーズの組み合わせで釣りました。
ベリーがしっかり曲がってくれるので、キャストはかなりしやすいですね。
言い方がアレですが、雑な投げ方をしてもしっかり飛びます。
これは、スイートスポットが広いってこと。

運良く50アップも釣れたんですが、竿のトルクは十分。
竿を曲げていれば、自然と浮いてきます。

加えて、フッキングも普通に決まります。
MLクラスなので、瞬間的にガチッって合わせるフッキングはできないですけど、
4/0のオフセットフックでも巻き合わせをすればしっかり刺さります。

もちろん、「〇〇リグ専用ロッド」ではないので、専門性には欠けますが、
「ミノーもやりたいし、トップもやりたいし、テキサスもやるかも」みたいなときにいいですね。
特に、「釣り場に持っていくロッドは1本」というアングラーにはいいですね。

ルアーウェイト的には、スペック表のとおり、5g〜がつかいやすいです。
1.8gのジグヘッド単体だとちょっとつらいかな。
総重量の話なので、5インチぐらいのワームと合わせるなら大丈夫。

これはチニングでも同じで、3gのジグヘッド+2インチのワームのズル引きにはオーバーパワーでした。
7gとか10gのジグヘッドとかフリーリグはドンピシャで良さそう。

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「サワラスペシャル」

ごめん、サワラスペシャルはちょっと言いすぎかも。
でもね、サワラのボートゲームに結構いいんじゃない?って思っています。

あらかじめお伝えしておきますが、これ、サワラに良くない?と思ってはいるものの、
公式サイトに「サワラにおすすめ」なんて文言はまったくないです。
でも、「ターゲットは不問」って書いてあるからね。

サワラのキャスティングとブレードジギングは、いままでで8回乗っただけなので、
専門にしている人には怒られるかもだけど、この竿で釣り負ける気はしないです。

763MLRSSで投げたのは、30〜60gのブレードジグと20g前後のシンキングミノー。

763MLRSSは、MLにしてはティップがちょっと硬めなので、
水深30mぐらいからのジグの巻き上げ、水噛みがいい抵抗感高めのミノーの早巻きも、
操作感がなくならずに扱えました。

80クラスのサワラが釣れたんですけど、サオに粘りがあってまだまだ余力がある感じ。
やりとり中に船長と「鳥ってすごい能力持ってますよねー」って会話するぐらいの余裕はあります。
なお、船べりの突っ込みがこわいので、ドラグは緩め。

これは上の写真とは別日の釣行なんですけど、
70ぐらいのサワラとやり取りしているときの写真。
バットから曲がっているのがわかってもらえますかね。

レギュラースローテーパーでしっかり曲がってくれるので、
ドラグの設定だけしておけば、グリグリ巻けます。
安心してやり取りをしてもらって大丈夫です。

ちなみに、ウェイト表記が30gまでなので、倍の60gのフルキャストはムリです。
というか、レンタル品なのでムリです。バットでひょいっと投げる感じで。
(自分の竿だったら、もっと強く投げてたと思うけど)
「ウェイト表記が、気持ちよく投げられる重さ」と思ってもらえるといいかな。

あと、7ft6inなので、胴の間のアンダーキャストはしんどいかもです。
僕はミヨシだったのでストレスフリーでした。僕はなぜがミヨシ率が高め。
ミヨシでどわんどわん揺れながらナブラを撃つのはめちゃくちゃたのしいのでおすすめです。

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ガイドが、ちょっとでかい

いいところばかりを言うのが性に合わないので、
ファントム リベラリスト 763MLRSSの残念なところ。

「ガイドが、ちょっとでかい」

いや、もちろんわかるんですよ、海で青物を相手にするなら、
このぐらいのサイズがあったほうがいいってことは。

確かに、PE1.5号でリーダー8号とかつかうなら、とてもとても安心できる。
安心してフルキャストできる。というか、できました。

でもね、私ね、もっとガイドが小さいのが好きなの。ノットの抜けがわるくてもいいの。
リーダーを短くして、ノットを外に出すから。
そんな手間も受け入れるから、ガイドは小さいのがいいの。

たぶん世界で10人くらいが賛同してくれると思います。
これはきっと、いままでハートランドを選んできた呪い。

ケースのことも書いておこう

別の記事には書いてるんですけど、これも載せておきます。
この記事から見る方も多いと思うので。
公式サイトに載っていないんですよね、これ。

ファントム リベラリストの竿袋。

無印の汎用ではなく、ちゃんとロゴが入っています。
ハートランド リベラリストのようにショルダーベルトはありません。
また、セミハードではなくソフトケース。このあたりはコストを下げている模様。

開くとこんな感じ。
3ピースそれぞれに格納する場所があるので、ガイドも当たらずに収納できます。

生地はサテンかな?ツヤッツヤ。
これがかなり良くて、ロッドを入れておきたいなと思える質感でした。
(ただ単に僕がサテンが好きなだけかもですけど)
コストは下げつつも、高級感は残したいという印象を受けました。

ちなみに、「ここ、なに入れたらいいの?」という、奥行き20cmぐらいのスペースもあります。
えっと、このカードを入れておけばいいのかな?

※2023/7/5追記
……えーと、これ、保証書を入れておくところでした。
レンタル品は保証書がなかったので、わかんなかったんです。
保証書は免責の修理時に「あってよかったぁ……」となるので、大切に保管しましょう。約束ね。

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「ルアーロッド」

まとめとして、この段落で締めます。
唐突ですが、最後に、ゲームの話をします。

スーパーファミコンの『川のぬし釣り2』『海のぬし釣り』で育った世代なんですけど、
アイテムに「ふりだしざお」とか「なげざお」とかがあったのね。

で、もちろん「ルアーロッド」もあるんですが、
子どもながらに「ルアーロッドって定義が幅広すぎない?」って思っていました。

あのルアーロッドって、ファントム リベラリストのことだったみたいです。

海も川もボートでもつかえて、ジグもミノーもワームもいける。
サワラが釣れるし、ブラックバスもシーバスも釣れる。
このタイミングで、冒頭で紹介した「真のルアーロッド」ってフレーズを回収してきたね。

ぬしは釣れなかったけど、この竿でぬしを釣りたかったな、そう思える竿でした。